FP2級技能士のきのこです。
FPの勉強を開始して、早速つまづくのが「6つの係数」ではないでしょうか。
「似たような名前で、毎回混乱する!」「覚えられない!」と、苦手意識がある人も多いと思います。
本記事では、6つの係数について徹底的に解説し、覚え方・実際の試験での解き方・どうしても覚えられない場合の裏技をお伝えします。
この記事さえ読めば、あなたの苦手意識は克服されること間違いなしです。
では、さっそく見ていきましょう!
6つの係数とは
① 終価係数
複利運用をした場合の一定期間後の金額を求める
② 現価係数
一定額に達するために必要な元本を求める
③ 年金終価係数
毎年一定額を積み立てた場合の一定期間後の金額を求める
④ 減債基金係数
一定額を用意するための毎年の積立額を求める
⑤ 資本回収係数
一定額を一定期間で取り崩した場合の毎年の受取額を求める
⑥ 年金現価係数
将来、一定期間にわたり一定額を受け取るための元本を求める
さて、ここまではテキストにも載っている内容だと思います。
文言で覚えるのではなく、図のイメージをしっかり持つよう意識してください。
6つの係数 攻略法 3つのStep
では、具体的にどのように攻略をしていくのか、3つのStepに分けて解説します。
Step① 3つのペアを作る
この並びを頭に叩き込んでください。
表で、横に並んでいるもの同士がペアとなります。
では、少し恥ずかしいですが、私の覚え方を紹介しますね。
注意点は、①終価係数と②現価係数がペアなのに、③年金終価係数と⑥年金現価係数がペアではない、というところです。
6つの係数をややこしくしている原因はここにあるかもしれません。
Step② ペアとキーワードを結び付ける
それぞれのペアごとに、関連するキーワードがあります。
というように、キーワードと係数を結び付けられるようにしましょう。
Step③ 将来を知りたいか/現在を知りたいかを判断する
では、①②の使い分け、③④の使い分け、⑤⑥の使い分けはどのようにするかを解説します。
先ほどのペアの表をもう一度見てください。
実は、この表の左右で、将来を知りたいか/現在を知りたいかが分けられています。
如何でしょうか。少し頭が整理されたかと思います。
覚え方は、「ゲンカ・ゲンサイ・ネンキンゲンカ=ゲンザイを知りたい」です。全て「ゲン」が付きますね。
対して、「シュウカ・ネンキンシュウカ・シホンカイシュウ」には濁点すらつきません。
6つの係数 問題の解き方
まず、FP試験において6つの係数が問題になる場合、以下の2パターンがあります。
- パターン①の場合…先ほどの3つのStepを思い出しながら答えを導く方法しかありません。
- パターン②の場合…実は係数を覚えなくても、解く方法があります。
しかも出題は、②の形式であることがほとんどです。
ここでは、パターン②における問題の解き方・裏技について、例題を使って解説します。
(例題1)
900万円を準備するために、15年間、毎年均等に積み立て、利率(年率)1%で複利運用する場合、必要となる毎年の積立金額は、下記の<資料>の係数を使用して算出すると( )である。
1. 516,780円
2. 558,900円
3. 600,000円
(2020年9月 FP3級試験 学科 問31)
真面目な解き方
- 積み立てときたら、③年金終価係数 ④減債基金係数 のどちらか
- 毎年の積立金額=現在のことを知りたいので、④減債基金係数
⇒ 900万円 × 0.0621 = 558,900円
裏技!
- 15年かけて900万円を準備するためには、普通は1年あたり 900万÷15年=60万円 の貯蓄が必要
- しかし、複利運用(1%)した結果900万円になるということは、「年間60万円より少しだけ少なくてもOK」ということ
⇒ 558,900円
(例題2)
元金3,000万円を利率(年率)1%で複利運用しながら、15年間にわたって毎年均等に取り崩して受け取る場合、毎年の受取金額は( )である。なお、計算にあたっては下記<資料>の係数を使用して算出するものとする。
1. 1,863,000円
2. 2,163,000円
3. 2,322,000円
(2019年9月 FP3級試験 学科 問31)
真面目な解き方
- 取り崩しときたら、⑤資本回収係数 ⑥年金現価係数 のどちらか
- 毎年の受取金額=将来のことを知りたいので、⑤資本回収係数
⇒ 3,000万円 × 0.0721 = 2,163,00円
裏技!
- 3,000万円を15年にわたって取り崩すということは、普通は1年あたり 3,000万÷15年=200万円 受け取ることができる
- しかし、複利運用(1%)していくわけなので、「年間200万円より少しだけ多く受け取れる」ということ
⇒ 2,163,000円
(例題3)
借入金額300万円、利率(年率・複利)3%、返済期間5年、元利均等返済でローンを組む場合、毎年の返済額は、下記の<資料>の係数を使用して算出すると、( )である。
1. 565,200円
2. 655,200円
3. 695,580円
(2021年1月 FP3級試験 学科 問31)
真面目な解き方
- 300万円を返済する場合の毎年の返済額と、300万円を取り崩す場合の毎年の受取額は同じ考え方
- 取り崩しときたら、⑤資本回収係数 ⑥年金現価係数 のどちらか
- 毎年の受取金額=将来のことを知りたいので、⑤資本回収係数
⇒ 300万円 × 0.02184 = 655,200円
裏技!
- 5年かけて300万円を返済するためには、普通は1年あたり 300万÷5年=60万円 の返済が必要
- しかし、複利(3%)が乗っかってくるということは、「年間60万円より少しだけ多く返済しなくてはならない」ということ
⇒ 655,200円
695,580円の可能性もあるのでは?と思うかもしれませんが、提示された3つの係数のどれを掛けても、695,580円にはなりませんね!
まとめ
6つの係数は一見非常にややこしいですが、一度理解すれば難しいものではありません。
上の表が書けるようになれば、試験ではどんな問題でも解けるでしょう。
また、どうしても覚えられないという人は、ご紹介した裏技を使って解く練習をしましょう。これ、本当に便利ですよね。
実際の試験では1~2問の出題です。もしかしたら、「捨てようかな」と思われている方もいるかもしれませんが、もったいないですよ!
確実に取れる問題を積み上げていかなければ、合格には結び付きません。
混乱したら、二度三度とこの記事を見返して頂き、しっかりと身につけていきましょう。
また、FP3級の各科目について、以下の記事で解説しています。
併せてお読みください。
最後までお読み頂き、ありがとうございました!