独学4カ月で宅建試験に合格したきのこです。
多くの方にとって民法(権利関係)は、宅建試験の勉強で最もつまづきやすい科目No.1だと思います。
私自身も、法学部出身でありながら、非常に苦労しました…!
本記事では、民法(権利関係)の関係図の書き方に特化して、解説します。
これを読めば、「短時間で分かりやすい関係図を書くコツ」がきっと分かるはずです。
関係図がうまく書けずに苦労している方は、ぜひ参考にしてください。
関係図が必要な理由
民法(権利関係)の何が難しいって、問題文がそもそも理解できないのです。
どんな問題文なの?という方のために、例題をひとつ紹介します。
(例題)
Aが、その所有地について、債権者Bの差押えを免れるため、Cと通謀して、登記名義をCに移転したところ、Cは、その土地をDに譲渡し、さらに、Dがその土地をEに賃貸した場合…(以下略)
法律の初学者がこの文章を読んでも、頭の中は「?」でいっぱいですよね。(笑)
私の場合、最低でも2回読まないとイメージが湧きません…
このように、民法(権利関係)の問題には、多くの登場人物が出てくる上、関係も複雑になっています。誰と誰がどんな関係なのかを明確にしなければ、問題が解けない仕組みになっているのです。
そのため、特に法律にあまり馴染みのない方は、問題を読みながら関係図を書いていくことが民法(権利関係)攻略のカギとなります。
関係図が必要な問題とは
では、民法(権利関係)で出てくる全ての問題で関係図を書く必要があるのでしょうか。答えはNOです。
宅建の試験は時間との勝負です。全ての問題で関係図を書く余裕はありません。
特に、以下の分野の問題では関係図が必要になるケースが多いので、意識して解くようにしましょう。
関係図を書くときの3つのStep/コツ
「関係図が必要なことは分かっているけれどうまく書けないんだ!」と嘆いている方も多いと思います。
そんな方のために、書くための3つのStepと、各Stepにおけるコツを解説します。
Step① 登場人物を書く
この時、立場によってどこに書くかを明確にしておくことが非常に重要なポイントになります。
どういう意味?と思われる方も多いと思います。
例えば、「売主は左/買主は右」「債権者は上/債務者は下」というように、書く場所のルールを決めておくことが大切だということです。
位置を固定しておけば、描くときに迷いがなくなります。また、問題文とは逆の図を書いてしまって勘違いするといったミスも減らすことができるのです。
Step② 線で繋ぐ
登場人物ABC…を線で繋ぎましょう。
線でつなぐと言っても、「-」「→」など、さまざまな種類があります。
これらを何となく使っていると、正しい関係図が書けません。
一般に、契約関係には「-」、権利関係には「→」を使うことが多いです。
意識して使い分けないと、その関係性を勘違いしてしまうというリスクがあります。
Step③ 関係性を示す
関係性を示す単語を書く時のために、通謀であれば「ツ」、強迫であれば「キ」など、簡単に書ける文字を事前に決めておきましょう。わざわざ漢字で書くのは時間の無駄です。
また、「-」で繋いだ関係は売買であることが多いですが、もし賃貸であれば、線の上に「L(lease)」と記載しておくと良いでしょう。
実際に関係図を書いてみよう
3つのStepとコツをご紹介しました。
では、先ほどの例題を含め、3つの問題で関係図を書いていきます。
これらを参考にして、過去問などに取り組んでみてください。
例題①
Aが、その所有地について、債権者Bの差押えを免れるため、Cと通謀して、登記名義をCに移転したところ、Cは、その土地をDに譲渡し、さらに、Dがその土地をEに賃貸した場合…(以下略)
関係図はこのように書きましょう!
例題②
A、B、Cの3人がDに対して900万円の連帯債務を負っており、Aが、Dに対する債務と、Dに対して有する200万円の債権を対当額で相殺する旨の意思表示をDにした場合…(以下略)なお、A、B、Cの負担部分は等しいものとする。
関係図はこのように書きましょう!
例題③
Aには死亡した夫Bとの間に子Cがおり、Dには離婚した前妻Eとの間に子F及び子Gがいる。Fの親権はEが有し、Gの親権はDが有している。AとDが婚姻した後にDが死亡した場合…(以下略)
関係図はこのように書きましょう!
相続の場合、婚姻関係を「=」、それ以外を「-」で繋ぎましょう。
また、被相続人を○で囲んだり、既に亡くなっている方に斜線を引いたりすると良いでしょう。
まとめ
基本的には、どのStepにおいても、「自分のルールをあらかじめ作り、それに則る」ということが関係図の攻略法です。
「関係図が書けない!」という方の多くは、Step1でしっかりとルール付けができていないースがほとんどです。
「AがBから譲渡された土地を…」と言われたときに、「A-B」と書いていませんか?
それではダメです。Bが売り主ですから、「B-A」と書かなくてはいけません。
コツをしっかりと身につけ、どんな問題が出ても、早く正しく関係図が書けるように練習しましょう。
過去問を解く際は、必ず紙とペンを用意することです。
宅建士の各教科における学習ポイントは、以下の記事でまとめております。
併せてお読みください。
また、独学に限界を感じた方には、通信講座の受講もオススメしています。
興味があればぜひ参考にしてください。
最後までお読み頂き、ありがとうございました!