FP2級技能士のきのこです。
「FP3級で覚えるべきポイントに絞って全部教えて!」と思っていませんか?
超簡潔に全部がまとまっているものって、意外とないですよね。
FP試験は6科目に分かれています。
科目間での関連性はあまりないので、どの科目から勉強をはじめてもOKです。
順番に勉強をしていくと、最後6科目は相続・事業承継です。ようやくここまで来ましたね。
相続については、イメージもしやすいので、得意としている方も多いのではないでしょうか。
ただ厄介なのが相続税と贈与税。特例も多くて頭を抱えてしまいますよね。
本記事では、相続・事業承継の重要ポイントを20個ご紹介します。
試験直前の確認用としても役立つと思いますので、ぜひ参考にして下さい。
学習順番やまとめノート作りに悩んでいる方は、以下の記事も併せてお読みください。
相続・事業承継 重要ポイント20個
① 相続人
- 配偶者は常に相続人となる
- その他の相続の順位は、①子 ②父母・祖父母 ③兄弟姉妹
- 配偶者と血族相続人は同順位
- 実子と養子、嫡出子と非嫡出子は同順位
- 相続開始以前に死亡した人、欠格事由に該当する人、相続人から廃除された人、相続を放棄した人は相続人になれない
② 代襲相続
- 死亡・欠格・廃除によって相続権がなくなった場合にその人の子が代わりに相続をする
- 相続を放棄した場合には代襲相続は発生しない
- 子が亡くなっていたら孫、孫が亡くなっていたら曽孫が代襲相続する
- 甥・姪の子は代襲相続できない
「欠格」の子はOKなのに「放棄」の子はNGというのがポイントです!放棄することによって相続人を操作することができないようにするためのルールです!
③ 法定相続分
- 相続人が配偶者と子であれば、配偶者1/2、残りを子で均等相続
- 相続人が配偶者と父母であれば、配偶者2/3、残りを父母で均等相続
- 相続人が配偶者と兄弟姉妹であれば、配偶者3/4、残りを兄弟姉妹で均等相続
- 配偶者がいない場合、各順位内で均等相続
④ 相続の承認・放棄
- 単純承認:何も行わなければ単純承認とみなされる
- 限定承認:相続開始を知った時から3カ月以内に相続人全員で家庭裁判所に申し出る
- 放棄:相続開始を知った時から3カ月以内に家庭裁判所に申し出る
⑤ 遺産分割
- 遺言による指定があればそれを優先する
- 現物分割:遺産を現物のまま分割する方法
- 換価分割:全部 or 一部を換金して分割する方法
- 代償分割:1人が現物取得して他の相続人にお金を支払う方法
⑥ 遺言
- 自筆証書遺言:全て自書(財産目録はPCでOK)
- 公正証書遺言:遺言者が口述し、公証人が筆記
- 秘密証書遺言:遺言者が自書・封印し、公証人が日付等記入
- 公証人は2人以上必要
- 公正証書遺言は検認不要
⑦ 遺留分
- 遺留分権利者は配偶者・子・父母(子がいない場合)のみ
- 直系尊属のみの場合は被相続人の財産×1/3
- それ以外の場合は被相続人の財産×1/2
- 遺留分侵害額請求権を行使できるのは、侵害を知った日から1年 or 相続開始から10年
⑧ 成年後見制度
- 後見/保佐/補助という区分がある
- 将来に備え、事前に任意後見人を選任することもできる
⑨ 相続税 Step1 各人の課税価格の計算
- 課税価格=(相続財産+みなし相続財産+相続時精算課税制度による贈与財産+生前贈与加算)-(非課税財産+債務)
- みなし相続財産:生命保険金・死亡退職金(死後3年以内に支給額が確定したもの)
- 相続時精算課税制度による贈与財産・相続開始前3年以内の贈与財産は、贈与時の価額で計算する
- 非課税財産:生命退職金・死亡退職金の一部や、墓地・仏壇など
- 生命保険金・死亡退職金の非課税限度額:500万円×法定相続人の数
- 債務控除できるもの:借入金、未払いの医療費・税金、葬式費用
- 債務控除できないもの:生前に購入した墓地の未払金、香典返礼費用、法要費用
⑩ 相続税 Step2 相続税の総額の計算
- 課税価額の合計額-遺産に係る基礎控除=課税遺産総額
- 遺産に係る基礎控除=3,000万円+600万円×法定相続人の数
⑪ 相続税 Step3 各人の納付税額の計算
- 相続税の総額に実際の按分割合を掛ける
- 被相続人の配偶者・子・父母以外の場合、税額に2割加算する(代襲相続した孫は対象外)
- 配偶者の税額軽減:1億6,000万円 or 法定相続分 のいずれか多い金額まで
⑫ 相続税 法定相続人の数
- 相続税の計算上、法定相続人の数は以下のように算出する
- 放棄はなかったものとみなす
- 養子については、実子がいる場合1人まで、いない場合2人まで算入する
⑬ 相続税 申告・納付
- 相続開始を知った日の翌日から10カ月以内に申告
- 原則は金銭一括納付
- 金銭一括納付が困難であれば延納
- 延納も困難であれば物納
⑭ 贈与税 計算
- 1年間(1月1日~12月31日)に贈与された財産の合計額を基に計算
- 贈与税額=(課税価格-110万円)×税率
- 課税価格=贈与財産+みなし贈与財産-非課税財産
- みなし贈与財産:生命保険金(保険料の負担者ではない場合)・低額譲受・債務免除
- 非課税財産:祝い金・香典・見舞金・法人からの贈与
贈与者ごとの計算ではなく、1年間でもらった金額が全部合わせて110万円までなら非課税です!
⑮ 贈与税 配偶者控除
- 基礎控除(110万円)とは別に2,000万円まで
- 要件①:婚姻期間20年以上
- 要件②:贈与を受けた年の3月15日までに居住開始
- 同じ配偶者間では一生に一度のみ適用
⑯ 贈与税 相続時精算課税制度
- 贈与者ごとに合計2,500万円までは非課税
- 非課税枠を超える分については一律20%課税
- 要件①:贈与者 満60歳以上の父母/祖父母
- 要件②:受贈者 満20歳以上の子/孫
- 暦年課税に戻すことはできない
⑰ 贈与税 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税制度
- 省エネ・耐震性住宅の非課税限度額は1,500万円、それ以外は1,000万円
- 要件①:贈与者 直系尊属
- 要件②:受贈者 満20歳以上、所得2,000万円以下
- 要件③:床面積 50㎡以上240㎡以下
- 暦年課税 or 相続時精算課税制度と併用OK
⑱ 贈与税 申告・納付
- 110万円/年以下は申告不要
- 申告期間は2月1日~3月15日
- 原則は金銭一括納付
- 金銭一括納付が困難であれば延納
贈与税には「物納」という方法はありません!
⑲ 宅地の評価
- 路線価方式では、宅地が面する道路ごとに付された1㎡あたりの価額に面積を掛けて算出
- 自用地の評価額=自用地評価額×1.0
- 借地権の評価額=自用地評価額×借地権割合
- 貸宅地の評価額=自用地評価額×(1-借地権割合)
- 借家建付地の評価額=自用地評価額×(1-借地権割合×借家権割合×賃貸割合)
- 特定居住用宅地等:限度面積330㎡、減額割合80%
- 特定事業用宅地等:限度面積400㎡、減額割合80%
- 貸付事業用宅地等:限度面積200㎡、減額割合50%
⑳ その他の財産の評価
- 自用家屋の評価額=固定資産税評価額×1.0
- 貸家の評価額=固定資産税評価額×(1-借家権割合×賃貸割合)
- 上場株式の評価=課税時期の終値/課税時期の月の終値平均/前月の終値平均/前々月の終値平均のうち最も低い金額
- ゴルフ会員権の評価額=通常の取引価額×70%
- 生命保険契約の権利の評価額=解約返戻金相当額
まとめ
相続・事業承継の重要ポイント20個を一気におさらいしました。
相続税の計算方法は、「1度合算してまた分ける」というイメージを忘れないようにしましょう。
贈与税の特例については、ひとつひとつの適用要件だけでなく、それぞれの関係性(併用の可否など)もあわせて覚えられたら完璧だと思います。
これで6科目終了です。本当にお疲れ様でした。
20個×6科目=120個の重要ポイントをご紹介しました。
これらを全て頭に入れれば、FP3級は間違いなく合格できます。
もしかしたらこれだけでFP2級も合格できるかもしれません。
諦めずに一緒に頑張りましょう!
他の科目についても同様に重要ポイントを紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
最後までお読み頂き、ありがとうございました!