FP2級技能士のきのこです。
「FP3級の試験に出るところ、要点だけ絞って全部教えて!」と思っていませんか?
超簡潔に全部がまとまっているものって、意外とないですよね。
FP試験は6科目に分かれています。
科目間での関連性はあまりないので、どの科目から勉強をはじめてもOKです。
タックスプランニングでは、主に所得税の算出方法を学びます。様々な控除が出てくるため、混乱してしまう方も多いのではないでしょうか。私も、なかなか理解できずに何回もテキストを読み返した記憶があります。
本記事では、タックスプランニングの重要ポイントを20個ご紹介します。
試験直前の確認用としても役立つと思いますので、ぜひ参考にして下さい。
学習順番やまとめノート作りに悩んでいる方は、以下の記事も併せてお読みください。
金融資産運用 重要ポイント20個
① 税金の分類
- 国税/地方税、直接税/間接税の分類がある
- 納付方法には、申告納税方式/賦課課税方式がある
きのこ
それぞれの代表的な税金をチェックしておきましょう!
② 所得税 基本
- 国税・直接税
- 申告納付方式
- 所得=収入(1/1~12/31)-必要経費
- 退職所得・山林所得・譲渡所得(土地/建物/株式)は分離課税
- 退職所得・山林所得・譲渡所得(土地/建物/株式)以外は総合課税
- Step1:所得を10種類に分けて所得金額を計算
- Step2:合算して課税標準(総所得金額)を計算
- Step3:課税標準から所得控除を引いて課税所得金額を計算
- Step4:課税所得金額に税率をかけて所得税額を計算
- Step5:所得税額から税額控除を引いて申告税額を計算
③ 所得税 利子所得
- 利子所得=総収入金額
- 預貯金の利子は20.315%源泉徴収
- 公社債の利子は20.315%申告分離課税 or 申告不要
④ 所得税 配当所得
- 配当所得=総収入金額-株式等取得のための負債利子
- 公社債投資信託は含まない
- 上場株式等は20.315%源泉徴収
- 上場株式等で総合課税を選択した場合は配当控除を受けられる
- 上場株式等で申告分離課税を選択した場合は損益通算ができる
- 上場株式等以外は20.42%源泉徴収
⑤ 所得税 不動産所得
- 不動産所得=総収入金額-必要経費(-青色申告特別控除額)
- 不動産の貸付による所得(売却は含まない)
⑥ 所得税 事業所得
- 事業所得=総収入金額-必要経費(-青色申告特別控除額)
- 総収入金額には未収額も含む
- 必要経費には減価償却費も含む
- 減価償却には定額法/定率法がある
- 建物・建物付属設備・構築物には定額法を使用する
⑦ 所得税 給与所得
- 給与所得=総収入金額-給与所得控除額
- 給与所得控除額は55~195万円
- 通勤手当は15万円/月まで非課税
- 毎月の源泉徴収+年末調整を行えば、確定申告は不要
- 年収2,000万円超 or 複数の会社から給与を受けている人は、確定申告が必要
⑧ 所得税 退職所得
- 退職所得=(総収入金額-退職所得控除額)×1/2
- 退職所得控除額は、勤続年数20年以下の部分は40万円/年(1年未満は切り上げ)
- 退職所得控除額は、勤続年数20年超の部分は70万円/年(1年未満は切り上げ)
きのこ
×1/2を絶対に忘れないでください!
⑨ 所得税 山林所得
- 山林所得=総収入金額-必要経費-特別控除額(-青色申告特別控除額)
- 特別控除額は最高50万円
⑩ 所得税 譲渡所得
- 生活用動産(30万円超の貴金属は除く)の譲渡による所得は非課税
- 土地/建物/株式の譲渡は分離課税
- 土地/建物/株式以外の譲渡は総合課税
- 総合課税には、総合短期譲渡所得(所有期間5年以内)/総合長期譲渡所得(所有期間5年超)がある
- 譲渡所得=総収入金額-(取得費+譲渡費用)-特別控除額
- 取得費が不明な場合は総収入の5%として計算する
- 特別控除額は、短期/長期の合計で最高50万円
- 総合短期譲渡所得は、所得の全額が課税対象
- 総合長期譲渡所得は、所得の1/2のみ課税対象
⑪ 所得税 一時所得
- 一時所得=(総収入金額-支出金額-特別控除額)×1/2
- 特別控除額は最高50万円
- 懸賞・福引・クイズの賞金・競馬・競輪の払戻金、生命保険の満期保険金、損害保険の満期返戻金など
きのこ
ここも×1/2です!
⑫ 所得税 雑所得
- 雑所得=公的年金等の雑所得+公的年金等以外の雑所得
- 公的年金等の雑所得=総収入金額-公的年金等控除額
- 公的年金等以外の雑所得=総収入金額-必要経費
- 社会保険の給付金(老齢給付は除く)は非課税
⑬ 課税標準の計算
- 不動産所得・事業所得・山林所得・譲渡所得は損益通算ができる
- 純損失・雑損失は翌年以後、3年間にわたって繰り越しできる
⑭ 所得控除
- 基礎控除:最高48万円 (合計所得金額2,400万円超の場合は控除額減額)
- 配偶者控除:最高38万円 (配偶者の所得48万円以下、本人の所得1,000万円以下)
- 配偶者特別控除:最高38万円 (配偶者の所得48万円超133万円以下、本人の所得1,000万円以下)
- 扶養控除(配偶者以外):一般38万円、特定(19~23歳)63万円 (被扶養者の所得48万円以下)
- 障害者控除:一般27万円
- 寡婦控除:27万円 (本人の所得500万円以下)
- ひとり親控除:27万円 (本人の所得500万円以下)
- 勤労学生控除:27万円 (本人の所得75万円以下)
- 社会保険料控除:全額
- 生命保険調控除:最高12万円 (一般の生命保険料/個人年金保険料/介護医療保険料で各4万円)
- 地震保険料控除:全額 (最高5万円)
- 小規模企業共済等掛金控除:全額
- 医療費控除:支出医療費-保険金-10万円
- 寄附金控除:支出寄付金-2,000円
⑮ 税額の計算
- 総合課税は、課税総所得金額(総所得-所得控除)に超過累進税率(5~45%)を適用
- 分離課税の課税退職所得の税率は、5~45%
- 分離課税の課税短期譲渡所得の税率は、39.63%
- 分離課税の課税長期譲渡所得の税率は、20.315%
- 分離課税の株式等に係る課税譲渡所得の税率は、20.315%
⑯ 税額控除 住宅ローン控除
- 住宅ローン控除は、控除率1%、控除期間10年、年末残高限度額4,000万円
- 住宅ローン適用のための要件は以下の4点
- 要件①:返済期間が10年以上の住宅ローン
- 要件②:住宅取得日から6カ月以内に居住
- 要件③:住宅の床面積が50㎡以上(そのうち半分以上が居住用)
- 要件④:控除を受ける年の合計所得金額が3,000万円以下
⑰ 所得税の納付 確定申告
- 確定申告期間は、翌年の2月16日~3月15日
- 確定申告が必要な人は以下のような人
- パターン①:その年の給与等の金額が2,000万円超
- パターン②:給与所得・退職所得以外の所得金額が20万円超
- パターン③:2ヵ所以上から給与を受け取っている
- パターン④:住宅ローン控除の適用を受ける(初年度のみ)
- パターン⑤:雑損控除・医療費控除・寄附金控除の適用を受ける
- パターン⑥:配当控除の適用を受ける
- 納税者が死亡した場合は、相続があったことを知った日の翌日から4カ月以内に相続人が代理で申告する
⑱ 青色申告
- 不動産所得・事業所得・山林所得は青色申告対象
- 申告する年の3月15日まで(1月16日以降に開業した場合は開業日から2カ月以内)に申請
- 一定の帳簿書類を備えて、取引を適正に記録し保存(7年間)する必要あり
- 特典①:青色申告特別控除(55万円 or 10万円)
- 特典②:従事者給与(生計を一にする親族で事業に従事する者)の必要経費の参入
- 特典③:純損失の繰り越し控除(翌年以降3年間)・繰戻還付(前年分)
きのこ
「ふじさん(不動産所得・事業所得・山林所得)は青い」と覚えましょう!
⑲ 個人住民税
- 地方税(都道府県/市町村)・直接税
- 賦課課税方式
- その年の1月1日現在、住所がある地で課税
- 前年の所得が対象
- 事業所得者は年4回納付、給与所得者は年12回天引き
⑳ 個人事業税
- 地方税(都道府県)・直接税
- 賦課課税方式
- 前年の 所得が対象(290万円超の場合のみ)
- 原則8月と11月に納付
まとめ
タックスプランニングの重要ポイント20個を一気におさらいしました。
私も苦手な科目のひとつでしたので、学習するのにとても苦労しました。
所得税の計算についてですが、まずは全体の流れをしっかり理解した上で、各計算方法を勉強しましょう。そうしないと迷子になってしまいます。
「総所得金額」「課税総所得金額」「所得控除」「配当控除」など、似たような単語が出てきますので、注意して学習を進めましょう。
他の科目についても同様に重要ポイントを紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
最後までお読み頂き、ありがとうございました!