あなたの周りにはいませんか?
「この人、良い人なんだけど上司としては…うーん。」という上司。
私は、新卒で大手メーカーに入社し、5年間で8人もの上司の下で仕事をしてきました。
私自身が部署異動をしたり、上司が異動になったりと、理由は様々です。
上司がこれだけ頻繁に変わることは、社内では特に珍しいことではありません。
ただ、一般的な企業から比較すると、とても短サイクルだと思います。
短期間で多くの上司と働いたからこそ、客観的に比較をすることができました。
本記事では、そんな私が考える「良い上司」と「悪い上司」の比較をしながら、理想の上司像をお伝えしていきます。
本記事のポイントは、あくまで「良い人」であることを前提に、「良い上司/悪い上司」の特徴を示すことです。
「良い人=良い上司」とは限らないからです。
良い人であっても、上司としての評価が「悪い上司」になることも往々にしてあるのです。
部下にパワハラをしたり、嫌がらせをしたりする上司は論外ですので、その点ご理解ください。
なお、部下から信頼されない上司の特徴は、以下の記事で解説しています。
どんな上司の下で働いたか
私がこれまでどんな上司の下で働いたか、簡単に8人の特徴をまとめます。
上司A:50代男性。
冷静で寡黙。話しかけにくい。
上司B:40代女性。
友好的。極度の楽観主義者。
上司C:50代男性。
真面目で地道。Aよりは話しやすい。
上司D:40代男性。
頭良い。仕事への熱量がイマイチ。
上司E:50代男性。
やる気ゼロ。基本姿勢は「その場しのぎ」。
上司F:50代男性。
考えが強い。やや排他的。
上司G:40代男性。
仕事が速い。ロジカルでしっかり者。
上司H:40代男性。
友好的。優柔不断。物忘れが酷い。
こう振り返っても、色んなタイプがいますね。
8人の中に「人として悪い人」はいませんでした。皆、「良い人」ではあります。
ただし「上司として良いか/悪いか」は、はっきりと分かれます。
私だけでなく、同僚も同じように感じていることから、これは間違いのない事実です。
良い上司と悪い上司の特徴比較
では、良い上司と悪い上司にはどんな特徴の差があるのでしょうか。
冒頭でも記載した通り、「良い人」であることを前提として、「上司としての良し悪し」の特徴を紹介していきます。
「良い人」ですらない上司は、その時点で「悪い上司」確定です。
① 良い上司は「論理で語る」、悪い上司は「経験で語る」
論理的に語ると部下は納得します。部下を動かす上で「納得」は非常に重要です。
悪い上司は、「自分の経験」で語ろうとします。
当然、経験による判断が必要なケースもあります。
しかし、「あの時はこうしたからこうしよう」「これは初めてだから判断が難しい」という調子ではNGです。
ひとつひとつの判断に一貫性が失われ、部下は上司に不信感を抱くようになります。
② 良い上司は「上に意見する」、悪い上司は「下で調整する」
例えば、「経営方針に関わる仕事で、経営層が決めてくれない」というケースがあったとします。
こんな時、良い上司は「決めてもらわなくては進まない」と、上に対して遠慮せず、明確に意見することができます。
逆に、悪い上司は「上がなかなか決めてくれないから、どっちに転んでもいいように両方に備えよう」と下で調整しようとします。
部下からすれば仕事が倍に増えるのです。
こんなことでは、上司に相談しても意味がないと感じ、部下はついてきません。
③ 良い上司は「その場で回答する」、悪い上司は「その場をしのぐ」
会議中に、自部署に対して質問をされた時、良い上司は手元にある情報を紡いでその場で最善の回答をします。
当然、不十分な点もあるでしょうが、その場で回答することで、自部署への信頼も保たれます。
もしかすると、その回答で質問者は納得してくれるかもしれません。
一方悪い上司はというと、「後ほど確認します」のオンパレード。
そして結局、それを確認するのは部下なのです。
これは、上司の自信の有無から違いの出るところだと思います。
④ 良い上司は「部下に親身になる」、悪い上司は「部下に干渉する」
部下が何かに悩んだ時、良い上司はそれを敏感に感じ取り、親身に話を聞くでしょう。
そして、上司としてだけでなく、人生の先輩としてのアドバイスもしてあげるのです。
では悪い上司はというと、部下に干渉するのです。
悩んでもいないことに対して「仕事の愚痴はないのか」「休みは何をするのか」と知りたがります。
「親身になる」ことと「干渉する」ことは、似て非なるものです。
「自分は部下のことをよく気にかけている」「部下とのコミュニケーションを大事にしている」と思っている人に限って、このパターンが多いです。勘違いですね。
大切なのは、自分本位で部下の気持ちに踏み込まないことです。
部下が悩んだ時に相談してもらえるかどうかは、仕事における信頼の厚さによるのです。
「プライベートに干渉してくる上司に悩んでいる」という方は、以下の記事もお読みください。
⑤ 良い上司は「変化を好む」、悪い上司は「変化を嫌う」
会社には、変化がつきものです。
社会が変わり、顧客のニーズが変われば、サービス内容や社内管理の方法も変える必要がでてきます。
そんな時、良い上司は変化を楽しみます。
初期投資を恐れずにどんどん変えていこうという姿勢があります。
何かを「変える」仕事に対して、部下もやりがいや達成感を感じるでしょう。
変化を楽しみ、新しい決断ができる上司こそ、「良い上司」です。
逆に悪い上司は、変化を嫌います。過去と同じ方法をとる方が、上に報告する際に楽だからです。
何かあった時に自分が責められる心配もないですしね。
しかし実際には、変化に対応しないことこそが、組織衰退の大きな要因です。
「停滞」は「後退」に等しいのです。
まとめ
「周りにこんな上司いる」「自分がこれかもしれない」と思い当たる節があったのではないでしょうか。
因みに、先ほどご紹介した8人のうち、私がまた一緒に働きたいと思える上司ランキング1位は、
上司G:40代男性。
仕事が速い。ロジカルでしっかり者。
です。
多くの案件を抱えながらも、ひとつひとつの状況を把握していて、相談すれば一発で解決策を出してくれる方でした。
無駄が嫌いな人なので一見冷たそうに見えますが、家族について相談した時は、多くの時間を割いて話を聞いてくれました。
また、経営層に対しても物おじせずに意見し、それでいてサラリーマンとして上の最終決定には従う方でしたので、皆から信頼が厚いと聞いています。
私自身、たくさんの上司の下で働いてきたからこそ、自分の目指すべき上司像が明確に見えてきました。
皆さんもこれを参考に、理想の上司像を描いてみては如何でしょうか。
なお、自分と合わない上司に悩んでいるという方は、以下の記事も併せてお読みください。
最後までお読み頂き、ありがとうございました!