【世界最悪】トルコ イスタンブール渋滞の背景・対処法

トルコ イスタンブール在住のきのこです。

皆さんは、「イスタンブール」と聞いてどんなイメージを抱きますか？

素晴らしいものもたくさんありますが、実はイスタンブールには世界最悪のものがあるのです。
それがズバリ、「渋滞」です。

本記事では、イスタンブールの交通事情と渋滞の背景、また対処法をご紹介します。
イスタンブールで生活予定の方、旅行を考えている方は知っておくべき情報です。

ぜひ、最後までお付き合いください！

イスタンブールの交通事情

繰り返します。
イスタンブールの渋滞は「世界最悪」です。笑

オランダのノーションテクノロジーの専門企業・TomTomによれば、2021年に世界58カ国404都市の交通状況を調査した結果、渋滞レベルのワースト1位はトルコ イスタンブールであったとのことです。(東京は17位)

私自身、イスタンブールに住んで2年目になりますが、日々の生活で最もストレスに感じるのはやはり交通事情です。

イスタンブール渋滞の背景

① 短期間で急成長した都市

約100年前、オスマン帝国が衰退し欧米列強に領土を分割される中、アタテュルク率いる軍が各国を退け、トルコは建国されました。

トルコは国としての歴史は非常に浅いものの、戦後、その地理的な優位性を活かして急成長・急発展してきました。
(ヨーロッパとアジアに跨っており、人やモノの流れの中継地点ともなっています)

都市計画がしっかり立てられなかったこと、交通インフラの整備がその急成長に追いつけなかったことが現代の渋滞の最も大きな要因と言えます。

② 公共交通機関が不十分

イスタンブールにはメトロが走っていますが、街を網羅していません。
人々は、車が無ければ生活できない状態にあります。

「もっとメトロを増やしたら良いのでは？」と思ってしまいますが、既に高層ビルが立ち並び、ひしめき合っている都市に鉄道を走らせることはそう簡単ではありません。

またトルコの場合は、未発見の遺跡等が地中に眠っている可能性もあり、むやみに工事ができないという一風変わった事情もあるようです。

③ 「車の購入=投資」という考え

トルコは為替変動や急激なインフレの影響が大きく、「車の購入=投資」という考えが人々に根付き始めています。

実際に私の知り合いも、5年前に購入した車を、購入価格以上で下取りしてもらっていました。
日本ではあり得ない話です。

日本でも、円安の影響で「貯蓄では目減りする」という考えが浸透してきましたが、トルコはその比ではありません。

トルコリラは直近2年で価値が約半減(対USD)しました。
人々はリラで貯蓄することを辞め、車や株式に投資することが一般的になっています。

④ 外国人居住者の影響

イスタンブールは国際都市であり、多くの外国人が住んでいます。
私の勤めるオフィスビル内や、住んでいるマンションも、外国人だらけです。
(ヨーロッパ系・アラブ系・アジア系など様々)

2014年ごろからはじまったリラ安の影響により、特に外貨を持っている外国人の購買力が高まりました。
高級ブランドのブティックなどは週末、外国人で賑わっています。

車もそのひとつ。
外国人が積極的に車を購入することで、街の渋滞は更に悪化するのです。

⑤ 交通マナーの悪さ

トルコの交通マナーの悪さには、本当に嫌気がさします。
渋滞が酷すぎて交通マナーが悪くなったのか、交通マナーが悪いから渋滞が悪化しているのかは分かりません。(多分後者です)

実際に私も日々運転していますが、自分勝手な割込み・一方通行の逆走・事故による斜線封鎖など、本当に酷い状況です。

何より、街中の道が路駐された車で溢れかえっています。
本来は余裕ですれ違える幅の道路でも、1台通るのがやっとといった状況です。
こんな状態で、渋滞が緩和される訳がありませんね。

イスタンブール渋滞の対処法

ここからは、イスタンブール渋滞の対処法についてお伝えします。

正直、「工夫して避ける」ということしかできませんが、ぜひ旅行者の方も参考にしてください。

① 平日は出退勤のピークを避けるべし

平日で最も混むのが、出退勤のピーク。
具体的には、朝は8～9時・夕方は17～19時です。

特に夕方の渋滞は本当に酷いので、もし予定を前後させられるなら調整すべきです。

通常10分ほどで到着できる場所であっても、2時間以上掛かることもあります。
もはや歩いたほうが速いレベルです。

② 週末は午前中に移動すべし

週末は、午前中であれば交通量が少なく快適です。
トルコ人は、休日の午前中は家で過ごし、午後に出かける習慣があります。

午後になると、ショッピングセンターなどでも駐車場を探すだけで30分掛かったりします。

私は、午前中のうちに買い物などを済ませ、午後はあまり外に出ないようにしています。
観光などで来られる方も、午後はタクシーを使わず、歩いて回れる観光地を予定すると良いかもしれません。

③ ボスポラス大橋付近は特に注意すべし

イスタンブール内で最も渋滞する場所は、ボスポラス大橋付近です。

ヨーロッパとアジアを隔てるボスポラス海峡には、橋が3本掛けられています。
この3本に車が集中するため、特に橋を渡る前の数kmは相当混雑します。

アジア側の方が土地も安く、アジア側からヨーロッパ側に通勤している方も多くいます。
イスタンブール渋滞の最悪地点は、「平日午後18時のボスポラス大橋のヨーロッパ側」と言って良いでしょう。

まとめ

ご紹介した通り、様々な背景があり、そう簡単には改善できないのがイスタンブールの渋滞事情。

もし訪れる際には、渋滞も考慮した上で、それを避けるように予定を立てることを強くオススメします。

また、渋滞に巻き込まれればトイレに行くことも難しくなるため、乗車前の食べ過ぎ・飲み過ぎには十分注意しましょう。
胃腸管理を徹底して、車内で困ることがないようお気を付けください。

他にも、トルコ生活での困りごとを以下の記事で紹介しています。
興味があれば読んでみてください。

では、快適なイスタンブール生活・旅行を！