海外赴任には仕事面・生活面で様々なメリットがありますが、「給与が上がること」も大きなメリットのひとつです。
でも、実際にどれくらいもらえるのか、イメージが湧かないという方も多いですよね。
本記事では、現役駐在員の私が「どの程度の給料をもらっているのか」「給与以外に金銭面での優遇はあるのか」詳しく解説していきます。
あくまで私の例ですが、日系企業であれば似たような給与体系となっていることが多いです。
今後、海外赴任をする可能性のある方は、ぜひ参考にしてください。
筆者の勤務先について
まずは前提として、私自身について、また勤務先について紹介します。
新卒で日系メーカーに入社し、営業職(商品企画)として勤務していました。
そして、入社6年目の終わりに海外赴任し、現在に至ります。
赴任形態は単身赴任です。日本に妻がいます。
赴任先で知り合った日系他社の方とも給与面の話をしたことがありますが、多少の差はあれ同様の給与体系でした。
ですので、日系企業で海外赴任をしたい方には参考になる記事かと思います。
海外勤務の給与水準 4つのポイント
① 国内給+海外給がもらえる!
これが国内勤務と最大の違いですが、「国内給+海外給」がもらえます。
企業によって、また赴任形態(単身赴任or帯同)によっても変わりますが、総額で見れば日本の給与の1.5~2.0倍の水準になります。
実際に私も1.8倍程度になりました。
そのうち約60%は日本円で日本の銀行口座に振り込まれ、残りの40%は赴任先の生活費として現地の銀行口座に振り込まれています。
なお、家族帯同の場合は、現地の銀行口座に振り込まれる割合が大きくなるようです。
② 勤務地手当がもらえる!
給与に勤務地手当が加算されることは、珍しくありません。
勤務地手当とは、赴任先の治安や生活環境などに応じて、会社が独自で決定するものです。
一般に、先進国と比較し、途上国の方が手当は高くなります。
私の勤務先会社の場合、最も高い国(=危険な国)では、月に25万円ほどの勤務地手当を受け取るようです。
手当だけで、新卒の初任給並みですね。
ただし、当然ながら「手当が高い=生活が大変」ということですので、覚悟を持って臨んでください。
③ 税金・社会保険料も軽減する!
額面金額に対して手取りが少なく、ショックを受けた経験がある人も多いですよね。
日本に勤務していると、通常、以下の税金・社会保険料が差し引かれ、残りが手取りとして銀行口座に振り込まれます。
- 所得税
- 住民税
- 雇用保険料
- 健康保険料
- 介護保険料(40歳以上)
- 厚生年金保険料
しかし、海外赴任中に支払う必要があるのは、以下の2つのみです。
- 健康保険料
- 厚生年金保険料
※ 住民税は支払いが1年遅れのため、赴任初年度は支払う必要あり
つまり海外赴任中は、給料が高いだけでなく、税金・社会保険料の面でもお得ということになります。
実際に私の場合、日本で勤務していたころは毎月6.5~7.0万円程度が給与天引きされていましたが、海外赴任後はそれが4.0~4.5万円になりました。(月2.0~3.0万円減)
④ 住居や車が支給される!
前述のように、給与面だけでもこれほどのメリットがありますが、それだけに留まりません。
海外赴任者には、会社が住居や車を支給することがほとんどです。
(しかも多くの場合は、セキュリティ面を考慮し、高層マンションに住めることが多いです。)
そのため、日本で支払っていた高額な賃料・維持費から解放されるのです。
お金が入ってくるだけでなく、出ていかないというのが素晴らしいポイントです。
ただし、これは会社によって規定も様々です。
「賃料の50%は自己負担」「車は支給するが維持費は自己負担」など、完全に会社負担とはならないケースもありますので、ご注意ください。
また、国によっては専属のドライバーが付くケースもあります。
毎朝ドライバーの運転で仕事に行くなんて、まるで大社長ですね。
注意:お金が掛かることもある!2選
良い面ばかりを紹介してきましたが、海外生活だからこそお金が掛かる場面もあります。
ここでは2点ご紹介します。
① 食費・生活費
赴任先の国にもよって違いはありますが、食費・生活費が日本よりも掛かるというケースは珍しくありません。
「そもそもの物価が日本より高い」「飲み水は買わなければならない」「日本の食材が異常に高価」など、様々な理由から、意外とお金が掛かると感じる方は少なくないようです。
私の場合、単身赴任ということもあり、現地の日本食レストランに頻繁にお世話になっています。
日本であれば1,000~1,500円で食べられるような定食を、2,000~3,000円出して食べています。
「やっぱり日本食が良い」という方にとっては、お金のかかる生活になるかもしれません。
② 一時帰国時の航空券代
もう一つ忘れてはいけないのが、一時帰国時の航空券代です。
多くの会社では、1年に1度もしくは2年に1度、会社負担で一時帰国することが認められています。
しかし、それ以外の帰国となれば、当然自己負担です。
私の周りの赴任者はたいてい、年に2度(夏と冬)、日本に一時帰国しています。
加えて、冠婚葬祭などでやむを得ず日本に帰国する場合もあります。
日本から近い国であれば良いですが、往復で20~30万円ほど掛かる国の場合、家族4人で一時帰国をするだけでも100万円吹っ飛んでしまいますね。
まとめ
今回ご紹介した内容は、あくまで一例です。
企業・職種・赴任先・年齢などによって、条件は様々です。
ただ、私の身の回りの海外赴任者の多くは、上記に似た待遇でした。
もし、ご自身の勤め先で海外赴任の可能性があるのであれば、社内規定をぜひ一度ご確認ください。
ご紹介した通り、一般に海外赴任は、金銭面で言えば相当なメリットが見込めます。
しかし一方で、業務負荷の高さや不慣れな環境での生活に、滅入ってしまう方がいるのも確かです。
お金が全てではありません。
あくまで参考程度に、自分が本当に幸せを感じられる道を選択することをオススメします。
海外赴任のメリット・デメリットについては、以下の記事で詳しく解説しています。
気になる方は併せてお読みください。
最後までお読み頂き、ありがとうございました!