宅建士の試験に挑戦する人の中には、「不動産業に従事していない」という方も多いと思います。
自己研鑽であったり、転職の準備であったり、宅建士取得の目的は様々です。
そのような方々にとって、「合格後、宅建士登録をすべきか」という悩みはつきものですよね。
私自身、2年前に宅建試験に挑戦し合格しましたが、本業はメーカーの商品企画業務です。
実際に宅建試験合格後、「すぐに資格を使いたい訳でもないし…」と登録を渋っていました。
ただ、今考えれば、登録は早めに済ませるべきだと思っています。
本記事では、「不動産業に従事していなくても登録までは済ませるべき」という理由を3つお伝えします。
悩んでいる方はぜひ、参考にしてください。
宅建士の登録とは
そもそも「宅建士の登録」とは何でしょうか。
きっと本記事をご覧の皆さんは、宅建試験に合格された方だと思います。
ですので説明は不要かと思いますが、念のため端的に解説します。
実は、宅建試験に合格しただけでは「宅建士」と名乗り、また業務をすることはできません。
合格後、宅建士登録を行い、宅建士証の交付を受けて初めて「宅建士」と名乗れるのです。
宅建士登録には、2年以上の実務経験があるか、もしくは登録実務講習を受講する必要があります。
登録実務講習については、以下の記事で解説しています。
不動産業でなくても登録すべき3つの理由
宅建試験の合格は一生涯有効ですので、いつでも登録を行うことができます。
更に、登録には高額な手数料が掛かります。
だから皆さん、登録をしようか悩むんですよね。
ただ私は、それでも「少なくとも登録までは済ませておくべき」と考えています。
その理由は以下の3点です。
① 登録するまでに時間が掛かるから
「登録はいつしたって構わない」というのは事実ですが、実際の登録手続きには非常に時間を要します。
登録を悩んでいる方の多くは、実務経験が全く無い方のはずです。
そのため、前述した「登録実務講習」を受ける必要があります。
登録実務講習は、申し込んですぐに受けられるものではありません。
開催日も限られていますし、時期によっては枠がすぐに埋まってしまうことも珍しくないのです。
更に、いざ登録申請をしようと思った時、必要書類を集め、登録申請を行い、登録完了通知を受け取るまでに、どれだけスムーズに行っても1~2カ月程度掛かります。
「使いたい時にすぐに使える状態にない資格」というのは、非常にもったいないのです。
実際、不動産業界への転職活動では、「宅建士の登録手続きはどこまで進んでいるか」を問われることが多いといいます。
即戦力として評価してもらうためにも、登録までは済ませておいて損はないでしょう。
② 登録実務講習の修了証には有効期限があるから
宅建試験の合格が一生涯有効であることはお伝えしました。
しかし一方で、登録実務講習の修了証には有効期限があるのです。
それは、「修了年月日から10年間」です。
そのため、登録実務講習を受けた後は、早いうちに登録まで済ませる方が良いと言えます。
「じゃあ登録したい時に登録実務講習を受ければ良いんじゃないの?」と思われますよね。
当然それなら、有効期限などを気にする必要はありません。
しかし、登録実務講習には修了試験があるのです。
宅建試験を受験して数年~数十年経過後に、登録実務講習の修了試験に合格する自信はありますか?
もし答えがNOであれば、「宅建試験合格⇒登録実務講習受講⇒宅建士登録」までを一気に済ませるというのが得策でしょう。
③ 宅建試験の受験地でないと登録できないから
宅建試験は、原則として居住地の都道府県で受験する必要があります。
そして、宅建士登録は、宅建試験を受験した都道府県で行う必要があります。
あなたが今後ずっと同じ場所に住み続けるのであれば問題ありませんが、転勤などにより他県へ引っ越す可能性もありますよね。
当然、郵送による手続きも可能ですが、手続きに更に時間が掛かってしまいます。
また私の場合は、海外転勤の可能性も高かったため、海外からの手続きは不可能と考え、日本にいるうちに登録までは済ませておこうと考えました。
まとめ
もう一度おさらいしますが、宅建試験合格後の流れは以下の通りです。
宅建士証の交付まで行ってしまうと、宅建士証には5年という有効期限がありますので、5年ごとに更新手続きが発生します。
まだ資格を使う予定のない人にとって、5年ごとの更新は、手間面でも費用面でもオススメできません。
宅建士登録は一生涯有効ですので、「誰しも登録までは済ませるべき」というのが私の考えです。
悩んでいる方々の参考になれば幸いです。
なお、登録手続きに必要な書類・手順については、各都道府県のホームページをご覧ください。
最後までお読み頂き、ありがとうございました!