「静かな退職」という言葉をご存じでしょうか?
最近、海外でTikTokを中心に「静かな退職」が話題になっています。
本記事では、「静かな退職」とはどんな考え方なのかを紹介し、この考え方に潜む3つのリスクを解説します。
リスクを理解した上で「静かな退職」を選択するのと、何も分からずに選択するのとでは、雲泥の差があります。
では、さっそく見ていきましょう。
「静かな退職」とは
「静かな退職(quiet quitting)」は、若者の仕事への価値観の変化から生み出されました。
「会社に在籍していながらも、労力や時間を極力使わない働き方」を指した言葉で、仕事以外のこと(趣味や副業)に重点を置いて生きていく、という考え方です。
退職届を提出してはいないものの、必要以上に仕事を頑張らない=実質的には退職したようなモチベーションであることから、「静かな退職」と呼ばれています。
あるアンケートによれば、1989年以降に生まれた世代の約半数がこの考え方に当てはまると言います。
仕事にやりがいや価値を見出せない若者が如何に多いかが分かりますね。
普段仕事をしていれば、「努力して出世しても良いことがない」「仕事より趣味に時間を使いたい」と思ってしまうこともあります。
そんな人たちの行きつく先が「静かな退職」という考え方なのかもしれません。
「静かな退職」という考え方に潜む3つのリスク
この考え方に対して、「人生をより良くするために一見賢い選択肢なのでは」と思ってしまう方も多いと思いますが、実は持続性が低く危険な考え方であることを知って頂きたいと思います。
ここでは、この考え方に潜む3つのリスクについてご紹介します。
① リストラの対象となる
「静かな退職」=「頑張らない働き方」と言い換えることができます。
頑張らない人は当然、周囲と比較して評価は低くなります。
若手のうちは、多少評価が悪くても大きな支障は出ません。
しかし、それが5年・10年と経つと、周囲との差が歴然と現れます。
日本の場合、未だに「終身雇用」が根強く残ってはいますが、今後、雇用の流動性は更に加速していきます。
そうした中で、「いつまでも評価が低い社員」は真っ先にリストラの対象となります。
「クビになったら次を探せば良い」と思うかもしれませんが、「静かな退職」を選択した人には、転職できるだけの能力が備わっていないことが多いのも事実です。
② 居場所がなくなる
幸いクビにならなかったとしても、社内での居場所はどんどんなくなっていきます。
周りからの目は当然冷ややかになっていきますし、「あの先輩は使えない」と陰口を叩かれ、誰からも信頼されなくなるでしょう。
また、マネージャーよりもプレイヤーの方がキツいという場合もあります。
出世しないということは、永遠にプレイヤーとしてマネージャーに振り回されるということです。
中堅になっても、やる気のある若手と肩を並べ、日々比較されることになります。
そんな状況になっても、「最低限の仕事だけをする方が幸せだ」と言えるでしょうか。
③ 時間を無駄にする
「静かな退職」を選択する人の多くは、「自分のために時間を使いたい」という考え方を持っています。
しかし、もう一度考えてみてください。
普通、仕事は最低でも1日8時間あります。
週休2日とすれば、週168時間(24時間×7日)のうち、40時間は仕事をするということです。
人生の24%にも相当する時間を、「無気力」で過ごすことは「時間を大切にしている」「有効的に使っている」と言えるでしょうか。
「静かな退職」は、時間の無駄遣い以外の何物でもないのです。
本当に有意義に時間を使いたいのであれば、「自分が楽しいと思えることを仕事にする」「仕事で自分の夢を実現する」という生き方に変えるべきです。
まとめ
「仕事は嫌だがしなくてはならないもの」という考え方が根底にあると、現実逃避の方法として「静かな退職」という考え方に魅力を感じます。
しかし、「静かな退職」が通用するのは、若手のうちの数年間だけの話です。
それを一生続けることは、まず現実的ではありません。
会社が嫌いだという人は、「静かな退職」を選択するのではなく、何度でも転職をして理想の仕事を見つけることに時間を使うべきと私は考えます。
「転職するかはまだ悩んでいる」という方であれば、自分の市場価値を高めるために資格取得に挑戦するなど、今できる努力をしていきましょう。
なお、資格を活かした転職をしたいという方は、以下の記事も併せてお読みください。
最後までお読み頂き、ありがとうございました!