「大企業の社員って、優秀な人ばかりじゃないの?」そう思われる方は多いと思います。
確かに、採用面接で何百倍・何千倍という関門を突破している人たちです。頭が悪いわけがありません。
学生時代に優秀な成績を修め、また留学や社会貢献など、色んな経験を積んできた人ばかりです。
しかし、「大企業の社員は無能」と言われることが多いのもまた事実です。
彼らはなぜ、「無能」と言われてしまうのでしょうか?
本記事では、大企業の社員が無能と言われる理由・有能と言われる社員の特徴について解説します。
特に今、大企業に勤めている人は、ぜひ最後までお読みください。
あなたも知らず知らずのうちに「無能な社員」になってしまうかもしれませんよ!
大企業の社員が無能と言われる5つの理由
① 仕事の領域・権限が小さいから
大企業の一社員の業務範囲や権限は非常に小さいものです。
実際、私が勤めるメーカーでは、
- 商品別営業窓口担当
- 価格管理担当
- 商品コード管理担当
- システムメンテナンス担当
など、社内の業務がしっかりと細分化された組織体制になっています。
自分が担当している業務が、全体のどの部分に当たるのか、周りにはどんな部署があってどんな業務をしているのか、複雑すぎて把握しきれません。
また、係長・課長・部長など、上にはたくさんの上司がいます。
「実務者の一社員には何の決定権もない」というケースも少なくないでしょう。
仕事の領域・権限が小さいことにより、社外で通用する能力はなかなか身に付きません。
目の前の仕事をこなすことはできても、全体を動かす能力はまるでないのです。
② 視点が小さくなってしまうから
自分の業務範囲が狭いことから、視点はどんどん小さくなっていきます。
本来であれば「会社にとって良い選択」をすべきところ、「自部署にとって良い選択」「自分自身にとって良い選択」という意識になってしまうのです。
会社にとって多少マイナスな選択であっても、そんな小さなことで業績が大きく落ちることはないし、自分の給与が下がるわけでもない。であれば、少しでも楽な方がいいし、他人・他部署に押し付けられる仕事は、押し付けたほうが得だ。と、このように考えてしまうことは、当然のことかもしれません。
ビジネスにおいて、「顧客ファースト」は言うまでもない基本中の基本です。
「自部署ファースト」「自分ファースト」となってしまっている社員が、会社で重要な役割を担っていくことは難しいと言えます。
③ 時間の感覚が狂ってしまうから
多くの場合、大企業には「たくさんの従業員」がいます。
そして、中小企業と比較し、社会に及ぼす影響力が非常に大きいことが多いです。
「たくさんの人を巻き込んで大きな決定をすること」には、当然、多大な時間を要します。
社内のあらゆる部署の意見を吸い上げ、調整し、最適解を見つけ、何人もの上司の承認を得る必要があるからです。
私の勤める会社でも、ひとつの商品コンセプトを決めるのに1年以上掛かったり、商品の入替のために何年も前から準備を進めることは珍しくありません。
こうした環境で何年も働いていると、「時間が掛かって当たり前」「決まらなくても仕方ない」という感覚になってしまいますよね。
ビジネスは、時を逃さないことが非常に重要です。
お客さんはいつまでも待ってくれません。
「時間の感覚が狂ってしまった大企業の社員」が、ビジネスマンとして有能なはずがないのです。
④ 仕事を頑張ることに価値を感じていないから
未だに多くの大企業では、「年功序列」が深く根付いています。
勤続年数に応じて昇格し、給与が上がっていくのです。
逆に言えば、「どれだけ努力して成果を出しても、そう簡単には昇進できない」というのが「年功序列」です。
当然、業種によっては、インセンティブ制度がある場合もあります。
しかし、基本となる給与自体は、年功序列であることが多いですよね。
「頑張っても稼げない=頑張ることに価値を感じない」となるのは当然です。
有能で最初はやる気満々の人でも、徐々にやる気を失い、やがては「そこそこに働いてそこそこに給与をもらう人」になってしまうのです。
向上心を失った時点で、その人自身の価値も頭打ちとなってしまいます。
⑤ キャリアアップに繋がらない人事異動があるから
多くの大企業には、定期的な人事異動がつきものです。
「スペシャリストよりジェネラリスト」を重視してきた会社であれば、尚更ですね。
また、場合によっては、「別の部署で人が足りない」「組織の再編成」「人間関係のいざこざ」など、全くキャリアアップにならない人事異動も少なくありません。
これは、「企業のために従業員がいる」という考え方に起因しています。
従業員一人の成長よりも、組織としての統制を優先させることは、やむを得ないとも言えるでしょう。
キャリアアップに繋がらない人事異動を繰り返すことにより、「何の専門性もない中途半端なジェネラリスト」が育ちます。
彼らが、「有能な人材」として、その企業を引っ張ったり、別の企業で実力を発揮することは考えにくいと言えます。
有能と言われる社員の3つの特徴
では、「無能」と言われないためには、どんな努力をする必要があるでしょうか。
ここでは「有能」と言われる社員の特徴を3つご紹介します。
① 常に「経営者視点」を持っている
たとえ自分が平社員であれ、常に「経営者視点」を持っている人は成長します。
視点を変えれば、顧客・市場・会社の課題の見え方なども変わってきます。
「会社としての最適解」を考えている人は、上司や他部署からも信頼されます。
「自部署さえ良ければ良い」というセクショナリズムに囚われず、自分が会社を動かすという意識を持ちましょう。
② 上に対してしっかり意見できる
長い物に巻かれるタイプの人に、有能な人はいません。
自分が正しいと思ったことは、上にしっかりと意見することが重要です。
意見するからには、それに見合った仕事をすることが求められます。
「仕事⇒意見⇒仕事⇒意見」を繰り返すことにより、加速度的に成長していきます。
③ 自己研鑽を怠らない
セミナー参加や 資格取得への挑戦など、自己研鑽を必ず続けましょう。
仕事だけをしていると、視野が狭くなってしまったり、新たな自分の可能性に気付けないことがあります。
仕事に使えるスキルを向上させたり、全く無関係の分野の勉強をしたり、何でも構いません。
自分の弱みを潰し、強みを伸ばすことができる人は、確実に「有能」です。
まとめ
大企業では、「有能だったのに無能になってしまう」という人が山のようにいます。
一従業員から裁量や主体性を奪い、企業に都合の良い人間を育ててしまう傾向が、大企業には強いのです。
しかし、組織の問題ばかりでなく、個人にも問題があります。
環境のせいにするばかりでなく、自分自身が変革していく意識を持つことが重要です。
「自分だけは絶対に無能にならない」と決め、努力を続けましょう。
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最後までお読み頂き、ありがとうございました!